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 この仕事に人生を賭けてます! 伊能忠敬の「人生二山」が好きな言葉。 実り豊かな第二幕目の人生の歩みing型。 黒田真一が人生の旅人として日々の雑感を綴ります。
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昨夜は、映画『ブタがいた教室』を観た。


新学期の4月に、新米の担任の先生が教室に子ブタを持ち込み、
みんなで育てて、一年後卒業前に「食べる」ことを提案します。

実話に基づいた"いのちの授業”ということなのだが、全国的にも
大論争になったというお話だ。


●『ブタがいた教室』予告編 (映画.com)



2008年11月劇場公開という古い映画なのだが、公開当時から
のネットの感想ページでも、賛否両論渦巻いていて、なかなかに面
白かった。

●『ブタがいた教室のレビュー・感想・評価』(映画.com)

ご興味の湧いた方には上記を読んでいただくとして、一般的には
"産業動物"と言われる家畜に名前は付けないんですね。

名前を付けてしまうと、情が湧いてしまっていわゆる「ペット」に
なってしまうからだ。小学生の子ども達だけでなく、大人にだって
「食べる」と言う段になれば、心に抵抗が生まれてしまいます。



4月の新学期、屈託なく無邪気に、子ブタにPちゃんという名前を付
けて世話を始める子ども達。
これをして(つまり、最後に食べてあげて完結するという)「いのちの
授業」と言うのは、やはり、残酷だと思うのですね。


「食べる」か「食べないか」真剣に考えさせる・・・・までなら、
「授業」と言ってイイかも知れないが・・・。でも、ハナっからペット
的な飼育をさせてしまっては、マズかったんじゃないかと思いますけど。



最初は"児童映画"と言った理解で舐めて観ていたのですが、学級で
「食べる」「食べない」が、ちょうど二分されたシビアな論争には、結
構真剣に引き込まれましたね。

前田哲監督と言う方、やはり並みの人じゃないようで、スタッフと大人
用の筋書き・セリフの入った脚本と学級の26人の子ども達用の脚本と
2つを用意して撮影したようなのです。

凄い話です。


子ども達用の脚本は中身『真っ白』のものだったそうで。
つまり、出演者の子ども達本人の自由な意見を語らせたようなのですね。

ですから、迫力ある真剣な学級会の論争のシーンになっています。

彼らがPちゃん(飼い始めてすぐ名付けた豚の名前)の命を思って真剣に
意見を言い、真剣な涙を流す・・・。

引き込まれましたね。


この監督マジ変わった人で、生年月日も「月日」しか公表されていませ
ん。学歴も不明。この伏せ具合もナゾの人物。いわゆる、作品そのもの
で評価してくれ・・・ということなのだろうか!?



さてさて、こんな映画を観た今日は、下のような記事に出遭った。

●日報抄 (2017年6月17日付 新潟日報コラム)


2010年に宮崎県で起こった口蹄疫騒ぎの折り、静岡県から派遣され
宮崎に赴いた獣医師さんの歌集の紹介記事だ。
動物のいのちを救うのが仕事のはずが、牛豚を殺すために現地に行き、現
実に黙々と殺す作業をした日の慟哭が歌われている。

この時、牛や豚の<処分>、ハッキリ我々は意識しなければならないと
思うのだが、この<殺された数>・実に30万頭近くに上ったと。


昨夜のような映画を観た後で、その翌日にこのような記事に出遭う不思議。


<頸動脈へ薬物注射するときに耳たぶの縁(へり)蚋(ぶよ)が血を吸う>
  (獣医師・白井健康(たつやす)     ---上記『日報抄』より)


映画『ブタがいた教室』でも、終盤にPちゃんは食肉センターの迎えの車
に載せられます。
嫌がるPちゃんをトラックに載せる時、職員さん3,4人がかりで載せる
のですが、お尻を押す職員さんに混じって、両方の耳を引っ張ってトラック
へ引きずる役目の人もいます。

ブタも耳を引っ張られのは痛いから、やはり、トラック上に向かうほかない。
食肉センターの人にとっては、手慣れた作業方法というかコツなんでしょうね。



やがて、Pちゃんは追い掛けて来る子ども達と最後のお別れのシーン。
カメラは、トラック上のPちゃんを後ろから撮り、車は校庭、そして校門を出て
ズンズンスピードを上げます。
26人の子ども達が、引き離されながらもまだ追い掛けて来ます。

その時、Pちゃんの両耳が写り、先ほど手荒く引っ張られて出来たキズなのか、
両方の耳に真っ赤な血が滲んでいました。


どうせ、あとは殺すだけのいのち、痛かろうが血が出ていようが、買い受けられ
物品になったPちゃんなのでした。



自分も含め、人間ってね・・・・・。
結構重い映画でした。



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日本自然保護協会・自然観察指導員
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日本森林学会会員
福祉住環境コーディネーター
茨城県介護サービス情報公表制度・調査員
茨城県動物愛護推進員
上記もろもろ、兼 おっさん。
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