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 この仕事に人生を賭けてます! 伊能忠敬の「人生二山」が好きな言葉。 実り豊かな第二幕目の人生の歩みing型。 黒田真一が人生の旅人として日々の雑感を綴ります。
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もう大分昔のこと。
当方が20代前半の頃のことだ。

まだ、高齢社会という単語も煩雑に使われない頃で、ましてや介護
保険などという制度も言葉もなかった。



ある日、電車通学していた当方が乗っていた電車でのこと。


目的地の一駅手前の駅で、電車は止まっていた。
その駅には電車の車両基地があることから、その駅始発のもあれば、
その駅止まりの電車もあるのだが、そういった関係で、乗っていた
電車は、他の駅と違い7分ほどもそこで止まった。



と、開け放しのドアから、もうリタイヤしてしばらく経つという感じ
の、年の頃70前後の夫婦が乗り込んで来た。

この駅では、停車時間が他とは違って長いのに、それも知らないと
見えて、ホウホウの体で、大分慌てて乗り込んで来たのだ。

「ああ、間に合ったね!?」「ふうゥ~・・・!」
奥さんが言った。


赤ら顔の恰幅のいい旦那さんは、半身が不自由と見えて、のっそり
のっそりと乗り込んで来たのだが、それをサポートする風に奥さん
が何かと旦那さんを庇いながら、やっとこ電車に乗れた風情だった。

(そんなに慌てなくても間に合ったのに・・・・、と当方は思った。)

旦那さんは、奥さんのサポートに身を任せ切りなのか、病気がらみで
余裕が無いのか、一貫して無表情のまま。
一言も発しない。



やがて、突然のことだった!!


ふたりは買い物にでも出るのか?あるいは病院への通院だったのか?
身なりはふたりとも、余所行きと言う感じで、キチンとした紳士然のご
主人のなりに、奥様も上品で結構上等な身なりであった。

それが、突然!!


ワサワサ、ワサワサっ、旦那さんの内ももあたりから下に向かって、連続
して重たそうなモノが落ちる・・・・・・。

旦那さんは姿勢一つ変えず、声一つ出さない。


ただ、旦那さんのズボンの片方から、ワサワサワサワサっと重たそうな塊
が落ち続け、やがて、旦那さんの靴を汚しながら、電車の床に「積もる」
ほども落っこちた・・・・・。

ああ、それは、旦那さんのウンコだったのだ。



遠目に見ていた当方には、そうなる一部始終が見えたのだが、奥様は電車
が揺れた時を想定してだろう?旦那さんの身体にくっ付く感じで立っていた
から、顔のあたりは良く見えるが、自分達の足元など見えないし、全然気
に留めていなかった。

電車は通勤の込み合う時間は過ぎた、午前9時半のころだったと思うが、
どういうわけか、車内には女子高生など学生たちが乗っていて、ザワザワ
と騒ぎだし、ハッ??? その奥様の知るところとなった・・・・・。



バチッだか、パチッだか、奥様が旦那さんの頭を叩く音がしたと思うと、
「ナニやってんのヨォ !!」「ああ、ヤダっ!」とか言ったが早いか、その
旦那さんの身体を掴んで無理やりに、あわてて電車を降りて行った。

まさに、そう、「逃げるように・・・・」という言葉どおりに。




電車のドアの先、車内の中ほどには、こんもりとソレだけが残り、なんの
後片付けもないまま、やがて乗客の誰かが、網棚にあったスポーツ紙を
拡げ、一枚だけソレの上に懸けたのだった。

季節がいつだったかは忘れてしまったのだが、電車が空き始めた時間帯、
電車の窓から柔らかな日の光が、車内に射し込んでいた、もうのどかな
時間でした。


結構「事件」ではあったはずなのに、旦那さんの自分の肛門も制御出来
ない病気や加齢のかなしさ、やるせなさ。かつてなら頼もしかった、一
家のあるじの公衆の面前での粗相に遭遇した奥様の、切なさ、やるせなさ、
そんなことを車内の誰もが考えていたのでしょうか?

電車の走る機械的な音以外には、大きな声がすることもなく、電車は進み
ウンコに被せられたスポーツ新聞にも日の光が差し込んでいるのでした。





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どういうテーマだったか、NHK『クローズアップ現代』にビデオ出演して
いた詩人・伊藤比呂美さんを知り、その著書『犬心』(文藝春秋)という本
に出会った。

ちょうど重版待ちで市場に在庫がなく、また、ベストセラーになった評判
から古書でもイイ値段がした。
で、市内の図書館から借り読みだしたのだが、読み止しのまま返却日が
明日になってしまった。


ペット法務も業務範囲としているもので、今までにペットやら動物をキー
ワードに300冊以上の本を読んで来たのだが、この本は、子犬で出会って
から老犬になり、死を迎えるまで、飼い主とペットとの熱い触れ合いの日々
が活写されている。
しかし、詩人の鋭い眼力は、同類の本のように単に溺愛のペット物語には終
わらせず、生き物の「生と死」に深い洞察力を発揮していて、学ばせられる
ことが多い。

同時期、実父の終末期にも遭遇し、したがって、ヒトとイヌという区別なく
「生と死」を考える機会となり、何気ない日常に織りなすエピソードの数々
を積み上げながら、その実、深い内省の機会を与えられる好著だ。

ペットロスなどという範疇を越え、人とペットを深く考えるよすがに。また、
そういう枠をも超えて、老後やら介護を根本から考えるのにもイイ本だ。



実父の前にガンだったかの実母も送っているのだが、水洗トイレの中に手を
突っ込んで、そこに流れる水で母親のお尻を洗い・・・・・、もう、ウンコ
でもオシッコでも何でもおいで!!(この文面のように書いてあったかは疑問)
怖いものなんかないヨ!!この心意気と実践力も凄い。

わざわざ居間のソファに行って愛犬がウンコ、とか、仕事部屋の自分の足元
に、老犬になった愛犬が日がな横たわり、オナラはするし、そのうち、ウンコ
もムニュムニュと出るにまかせて・・・・・・。

仕事をしていて、臭いに気づいて下を見れば、すごい有様。
筆者は怒らず騒がず粛々とお片付け・・・・・。
何しろ、筆者は物凄い根性の持ち主。


●書評 犬心 【著】伊藤比呂美
(Bookasahi.com)

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5596DA(ゴーゴークロダの意)
性別:
男性
職業:
行政書士
趣味:
山歩き、自然散策、ドライブ
自己紹介:
ISO14001環境マネジメントシステム審査員補
日本自然保護協会・自然観察指導員
浄化槽管理士
日本森林学会会員
福祉住環境コーディネーター
茨城県介護サービス情報公表制度・調査員
茨城県動物愛護推進員
上記もろもろ、兼 おっさん。
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