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 この仕事に人生を賭けてます! 伊能忠敬の「人生二山」が好きな言葉。 実り豊かな第二幕目の人生の歩みing型。 黒田真一が人生の旅人として日々の雑感を綴ります。
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しみじみ桜を眺める余裕もないまま、今年も早や葉桜の季節に
なろうとしています。

ま、サラリーマンの頃だって、そうだったかも・・・と思い直しても
見たりしますけれど。



岐阜市の勤め先だったマーサ21界隈の桜、もっと前には、千葉での
京成線の、通勤電車の車窓からの風景の中の桜だったり、はては、
会社のクリーン活動で日本武道館周りのゴミ拾いをしながら見上げた
桜だったり・・・。

いつもいつも、あわただしい日常の中でふと見た桜が、記憶の中に
あり、そして同じように、今頃になるとボコッと泡のように心底から
急に思い出として蘇るのですね。



今日あたりも、急に来たシゴトで市内を飛び回っておりますと、
ちょうど、県立友部病院の正門前あたりの桜が峠を越えたとは言え
見事です。

この県立友部病院というのは、旧筑波海軍航空隊の司令部跡と聴いた
ことがありました。
この地にかつては、海軍の飛行場があり、日々零戦等の訓練が行われ
幾多の特攻隊員がこの地から巣立って行ったと言います。


私は、この平和な日本に生まれ毎年当然のように桜を見過ごして
いますけれど、かつては、最後の見納めの桜を仰いで出撃された
特攻隊員の方々もおられたと思います。

この友部で訓練を終えると、鹿児島や台湾高雄の基地に進出して
ほどなく日本を守ることを信じ散華されたのでした。



可知晃『戦艦ミズーリに突入した零戦』光人社
という本を2年ほど前に読んだのですが、この本の79ページから
80ページにかけて、著者の可知氏が茨城県友部町(当時)を訪れ
郷土資料館に立ち寄った時のことが、書かれています。

旧宍戸町役場の建物という資料館は、明治期のもので歩くとギシギシ
というほどに老朽化した代物ですが、その一隅のガラスケースに
何冊かの大学ノートが並べられています。

そのノートの主は、岐阜県旧制恵那中学、名古屋高工(現名工大)を
経て、予備学生13期生となった鈴木孝一海軍中尉といいました。

「ノートは操縦、航法、通信など10冊以上にわたり、いずれもびっしり
几帳面な字と図で埋め尽くされている。
このような見事に整理されたノートをこれまでみたことがないと、
案内していただいた友部町教育委員会の南秀利さんと感心した。
 ここまでしっかり勉強して、その目的が「特攻」という、過程と
結果が素直に結びつかなかった。」(可知晃上記書から)



鈴木孝一海軍中尉は、筑波航空隊から19年8月、台湾高雄海軍航
空隊に転出されたといいますから、19年春の生涯最後の桜は茨城県
友部の桜を見たのでしょう。

可知氏の本によると、鈴木中尉は12月14日、神風特攻隊第3
金剛隊員として、フィリピン・セブ基地から発進し、米艦隊に突入、
散華したという。


貞一詠(実兄、故人)
 炭と米背負いてはるか常盤路へ  母伴いて会うべくぞ来し
 一日も飛行練習休まずという鼻声を母は気に懸く

筑波航空隊時代から戦後の慰霊祭まで、ご遺族の筑波の孝一さんへの
思いの強さが歌や俳句となって、連綿と続いている。(可知晃同書)



この本を読んでから、毎年桜の季節になりますと、「この桜が見納め」
と思って見上げた人々の心境を思うのです。

上記可知晃氏の本は、戦艦ミズーリに肉薄して突入した零戦が、一体
誰の機であったのか?過去の事実を積み上げながら、丁寧なアプローチ
で追ったドキュメントです。

名古屋大学を出た後、長らく日立製作所で要職を勤め上げ定年後の
シゴトといいます。
日製にお勤めだったといいますから、茨城におられたこともあるので
しょうね。友部訪問など身軽なフットワークぶりで土地勘も感じました。
いずれにしても、細密な推理の力作でご興味の向きには一読をお奨め
しておきましょう。



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 ■安藤亨『桜前線を旅する 沖縄から北海道まで』
                講談社カルチャーブックス
 これは古い本ですが、アマゾンで先日仕入れました。
 桜の本はキレイな印刷の本が沢山出ていますから、お気に入り
 を買って置くと、まだまだ夜中でもお花見が出来ますよ。

 ■保阪正康『「特攻」と日本人』講談社現代新書 2005年7月

 8月15日でなく、この桜咲く今頃に戦争を考える本を読むのも
 しみじみと考えられると思います。
 スナックで<同期の桜>など、だみ声振り絞るオッサンがいたり
 すると、ゾッとしてしまうのですね。
 酒飲んで、軍歌をやらかすそのデリカシィの無さには、飛び上がって
 しまうのです。

 今日は、いたく生真面目なブログで。
こういう時もあるのです。


(注.鈴木中尉の実兄の短歌中、「常盤路」とあるのは、
    茨城県内では通常「常磐路」と書きます。
    岐阜県人の実兄は上記のように書いたと思われますので
    原文のまま表記しました。)
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性別:
男性
職業:
行政書士
趣味:
山歩き、自然散策、ドライブ
自己紹介:
ISO14001環境マネジメントシステム審査員補
日本自然保護協会・自然観察指導員
浄化槽管理士
日本森林学会会員
福祉住環境コーディネーター
茨城県介護サービス情報公表制度・調査員
茨城県動物愛護推進員
上記もろもろ、兼 おっさん。
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