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 この仕事に人生を賭けてます! 伊能忠敬の「人生二山」が好きな言葉。 実り豊かな第二幕目の人生の歩みing型。 黒田真一が人生の旅人として日々の雑感を綴ります。
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昨日には、約800万人のお年寄りの年金から保険料が天引きされた。
「後期高齢者医療制度(長寿医療制度)」が頗る評判が悪い。



初日の昨日、各地の自治体での徴収ミス多発やら、その前の保険証
自体の未着やら、はては、<後期高齢者>という呼び方そのもの
からして、差別感丸出しで腹立たしい限り。
14日夜に時の総理による「反省の弁」があったが、毎回お決まりの
腹話術のような話しぶりに、到底反省の色など見て取れなかったは
当方だけではなかったハズだ。


読売新聞14日夕のコラムに<姨捨の新制度>とあるが、同紙今朝の
コラムでも、<「後期高齢者」という役所言葉にも、「あなた、そろ
そろですよ」と告げられているような響きがある>とした上で、<役所
に「まあだかい」と問われる筋合いはない。>と手厳しい。

読売新聞 2008.4.16付コラム『編集手帳』

まあ、国力萎えて、衣食足らざる結果の、なりふり構わぬ体たらく
なのかも知れないが、本来その中でも工夫と努力を重ねて<より良き
道>を見出して行くのが政治の役割のハズだ。
短絡的に、歴史を逆回しするだけなら、政治の破綻だろう。


ふと思い出して、
光野有次『みんなでつくるバリアフリー』岩波ジュニア新書
なる本を再度繰ってみた。

もちろん、以前はいまのような長寿が約
束されたわけではないので、働けない年齢になったら基本的には
自然に死んでいくというのが大部分でしたが、それでもいわゆる生
産不能になった高齢者たちも共存できる社会を、人類はずいぶん前
からもっていたようです。
つまり、道具の利用と開発によって、ヒトは生産者と後継者以外
も生活できる余剰生産が可能になり、老親たちが生存できたわけです。

そして光野氏は、2005年4月7日の
日経新聞に載ったという記事を紹介しています。


「原人も弱者いたわる?」というタイトルで、「歯のない化石 グルジ
アで発掘」がサブタイトル。「約180万年前の原人化石の調査で、
歯がすべて抜け落ちた状態でも生き延びた原人がいたことがわかった」。
肉食中心の時代に誰かが食事を柔らかくしていたはず、アメリカ・北
テキサス大のリード・フェリング博士が科学誌『ネイチャー』に発表と。
(光野有次著『みんなでつくるバリアフリー』より:黒田抄録)



この本のことが記憶に強く残っていたのは、実は上記に続く次の
文章があったからなのです。

「このことと逆に、余剰生産が不可能な場合は、生産者とその後継者
以外の老親たちが率先して死んでいったという歴史も残っています。


スウェーデンの博物館には、長さが2メートルくらいの天秤棒みたい
なものが展示されていました。秋が深まっていくころ、一族郎党が
その長い棒を手にして老親を谷底に落としたというものです。こんな
こともじつは、ありふれた人類史なのです。
 
         (上記、同書より。)


この本の次ページで、当時の北欧スウェーデンがいかに過酷な状況に
あったのか、詳しく説明されていますが、引用が長くなりますので
割愛します。要は、洋の東西を問わず乏しい生産力が姨捨を生んで
いたのだ。

ところでこの本の眼目は、生産能力がなかったり乏しい人でも
暮らせる社会こそ夢の社会であり、豊かな社会であると述べてい
るのですが、2005年に発行されたこの本から、さほど期間を経
ていない2008年に、早くも時代のベクトルの逆噴射を目の当たり
にして、ただ呆然とするばかり。これが実感だ。


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ISO14001環境マネジメントシステム審査員補
日本自然保護協会・自然観察指導員
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日本森林学会会員
福祉住環境コーディネーター
茨城県介護サービス情報公表制度・調査員
茨城県動物愛護推進員
上記もろもろ、兼 おっさん。
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