この仕事に人生を賭けてます! 伊能忠敬の「人生二山」が好きな言葉。 実り豊かな第二幕目の人生の歩みing型。 黒田真一が人生の旅人として日々の雑感を綴ります。
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ふと何の気なしに手に取った本であったが、いやいや地味といったら
この上ないぐらい地味だと思われるが、日本文化と日本民族学を根底
から照らそうという、その壮大な取組にはともかく圧倒される思いで
あった。
財団法人法政大学出版局による『ものと人間の文化史』出版事業で
ある。この4月までの業績が134巻に及ぶという。
<文化の基礎をなすと同時に人間のつくり上げたもっとも具体的な
「かたち」である個々の「もの」について、その根源から問い直し
「もの」とのかかわりにおいて営々と築かれてきたくらしの具体相
を通じて歴史を捉え直す>と同書奥付にあるが、そのシリーズの
一つしか手にとってはいないのだが、まさしくその依拠する哲学に
違わない深さと質の高さを実感させられた本に出会ったものだ。
手に取ったものは、『ものと人間の文化史 133-Ⅰ 同133-Ⅱ
鮭・鱒』Ⅰ・Ⅱ 赤羽正春著
著者赤羽氏は長野県生まれながら、その後、新潟県教育公務員になり、
文化行政課在勤中には奥三面遺跡群の調査に携わったという。
専攻は民俗学・考古学。Ⅰ巻270ページ、2巻597ページ合わせて
900ページ弱にもなる労作で、元著は新潟大学へ提出の平成17年
度の学位論文「鮭鱒の生態に関する環境民俗学的研究」という。
さてその内容を目次から採録してみると、鮭鱒の民俗研究、漁法
(取り方、漁具、漁獲率、社会組織など)
遡上実態<習性伝承の認知>(川小屋、遡上の年代別周期、豊穣の
森と鮭・鱒など)
第Ⅱ巻では鮭川ーーー越後荒川の鮭捕り衆、信濃川・阿賀野川、相馬
の鮭川、岩手、津軽石川の鮭川、鮭・鱒の増殖、鮭の精神世界ーー
伝承の時間と空間、「送り」、鮭・鱒の栄養<料理>など・・・・
見通す視野、研究の深さ、行動力にはただただ驚かされた。
私もひと頃、新潟県村上市に単身赴任していた。著者が長野に生まれ
ながら鮭・鱒研究に吸い寄せられたのも解る気がした。
ラーメン屋でラーメンにライスを頼んでも、鮭の切り身が付いてくる
土地柄、初冬の頃<鮭祭>をやると、朝から鮭の一本ものを求めて
長蛇の列。著書に「越後村上の鮭料理」の紹介写真があるが、イヲボヤ
会館提供とあったが、私はこの会館と道挟んで住んでいた。
著者が携わっていたという奥三面の集落跡を訪ねたこともあった。
三面川が書籍の随所に登場するが、この川も私の部屋のすぐ裏であった。
鮭漁のころ<サケタタキ棒>で殴るのも見た。当時何と残酷な・・・
と思ったが、昔から人々が鮭の供養塔や慰霊塔婆を建てて来たことは
本書で知った。
日立の『助川』がスケ、鮭のこととは<常陸風土記>に記述があると。
仕事放っぽり出しての精読とは行かなかったが、日本人としてのアイ
デンティティを理解するために、是非何方にも目を通して戴きたい
書籍と思うが、特に新潟下越地方の市民の皆様にお奨めして置き
ましょう。
この上ないぐらい地味だと思われるが、日本文化と日本民族学を根底
から照らそうという、その壮大な取組にはともかく圧倒される思いで
あった。
財団法人法政大学出版局による『ものと人間の文化史』出版事業で
ある。この4月までの業績が134巻に及ぶという。
<文化の基礎をなすと同時に人間のつくり上げたもっとも具体的な
「かたち」である個々の「もの」について、その根源から問い直し
「もの」とのかかわりにおいて営々と築かれてきたくらしの具体相
を通じて歴史を捉え直す>と同書奥付にあるが、そのシリーズの
一つしか手にとってはいないのだが、まさしくその依拠する哲学に
違わない深さと質の高さを実感させられた本に出会ったものだ。
手に取ったものは、『ものと人間の文化史 133-Ⅰ 同133-Ⅱ
鮭・鱒』Ⅰ・Ⅱ 赤羽正春著
著者赤羽氏は長野県生まれながら、その後、新潟県教育公務員になり、
文化行政課在勤中には奥三面遺跡群の調査に携わったという。
専攻は民俗学・考古学。Ⅰ巻270ページ、2巻597ページ合わせて
900ページ弱にもなる労作で、元著は新潟大学へ提出の平成17年
度の学位論文「鮭鱒の生態に関する環境民俗学的研究」という。
さてその内容を目次から採録してみると、鮭鱒の民俗研究、漁法
(取り方、漁具、漁獲率、社会組織など)
遡上実態<習性伝承の認知>(川小屋、遡上の年代別周期、豊穣の
森と鮭・鱒など)
第Ⅱ巻では鮭川ーーー越後荒川の鮭捕り衆、信濃川・阿賀野川、相馬
の鮭川、岩手、津軽石川の鮭川、鮭・鱒の増殖、鮭の精神世界ーー
伝承の時間と空間、「送り」、鮭・鱒の栄養<料理>など・・・・
見通す視野、研究の深さ、行動力にはただただ驚かされた。
私もひと頃、新潟県村上市に単身赴任していた。著者が長野に生まれ
ながら鮭・鱒研究に吸い寄せられたのも解る気がした。
ラーメン屋でラーメンにライスを頼んでも、鮭の切り身が付いてくる
土地柄、初冬の頃<鮭祭>をやると、朝から鮭の一本ものを求めて
長蛇の列。著書に「越後村上の鮭料理」の紹介写真があるが、イヲボヤ
会館提供とあったが、私はこの会館と道挟んで住んでいた。
著者が携わっていたという奥三面の集落跡を訪ねたこともあった。
三面川が書籍の随所に登場するが、この川も私の部屋のすぐ裏であった。
鮭漁のころ<サケタタキ棒>で殴るのも見た。当時何と残酷な・・・
と思ったが、昔から人々が鮭の供養塔や慰霊塔婆を建てて来たことは
本書で知った。
日立の『助川』がスケ、鮭のこととは<常陸風土記>に記述があると。
仕事放っぽり出しての精読とは行かなかったが、日本人としてのアイ
デンティティを理解するために、是非何方にも目を通して戴きたい
書籍と思うが、特に新潟下越地方の市民の皆様にお奨めして置き
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プロフィール
HN:
5596DA(ゴーゴークロダの意)
性別:
男性
職業:
行政書士
趣味:
山歩き、自然散策、ドライブ
自己紹介:
ISO14001環境マネジメントシステム審査員補
日本自然保護協会・自然観察指導員
浄化槽管理士
日本森林学会会員
福祉住環境コーディネーター
茨城県介護サービス情報公表制度・調査員
茨城県動物愛護推進員
上記もろもろ、兼 おっさん。
日本自然保護協会・自然観察指導員
浄化槽管理士
日本森林学会会員
福祉住環境コーディネーター
茨城県介護サービス情報公表制度・調査員
茨城県動物愛護推進員
上記もろもろ、兼 おっさん。
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