この仕事に人生を賭けてます! 伊能忠敬の「人生二山」が好きな言葉。 実り豊かな第二幕目の人生の歩みing型。 黒田真一が人生の旅人として日々の雑感を綴ります。
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●男の気持ち:言葉 青森県・匿名希望(無職・73歳)
(毎日新聞 2013年09月21日 東京朝刊)
今朝の新聞にあった投稿記事。
専門職による、重い「守秘義務違反」が明らさまにな った瞬間が、
書かれている。
漏らされた当事者の投稿者は、自分もそこに世話になっている
身もあり、また、年齢的にも抗議したりする気力の面で弱ってい
るのだろう。
唇を咬みながら、自戒の教訓に転化させてなんとか その悔しさ
に耐えている。
当方なども専門職として、新ためて心に刻んだ今日の投稿だった。
大分前に拙ブログでも書いたことがあったのだが、当方にも同じ
ような経験があり、この投稿者の気持ちが痛いほど分かる。
末期ガンの母親を、自宅近くの小さな病院へ転院させた時のこと
だ。
親の居住地の病院に入院していたのだが、いよいよ危なく なり、
毎日病院へ顔を出すのには、物理的にも不可能だったから、近
くの病院の先生のご好意もあり、転院させていただいた。
これにより、本人にもうれしいことに、4人部屋から個室に入れた。
100キロ近くの移動のうえ、検査も終えて夕食。
なんやかやベット周りをウロウロして、時計を見ると夜8時に近かっ
た。
母親本人は、違う病院へ移った緊張も解け、「ああ、良かった。」 と
口に出して言ったし、表情にもゆったりとした安堵感が表れていた。
帰る矢先、病室を出て待合室に行くと先客があり、老齢の旦那さん
とその家族と思われる人が数人でくつろいでいた。
やはりバタバタとした一日が終わり、一段落した様子。
やがて聴くともなく聴くと、 「今日入って来たおばあさん・・・・、もうダ
メみたいだな・・・・。」
「目も、白目が黄色くて黄疸が出てるって・・・。末期ガンらしい!?」
ホンのすぐ脇での話しだし、しかも夜間に入り病院内は閑散としてい
る時間。
ヒソヒソ話だったと思うが、実はシッカリ聴こえた。
聴いたわけではなくて、聴こえてきたのだが、あれれ、聴こえていた
のを、焦点を絞って「聴いてみると!」、今日入院したおばあさんなど
何人もはいないし、ハナシは、ウチの母親のことを言っていたのが判
った・・・・・・。
「ああなったら、人間もおしまいだヨ・・・・。」
やっとのことで転院を完了させたその日が終わろうとするその時、な
んということだ!?
「ああなったら、人間もおしまいだヨ・・・・。」
黙ってその場を立ち去り、病室にいた父親を促し、母親には明日また
来ると告げて病院を後にした。
3月の半ばの頃だったか、外は真っ暗で、しかも雨が降り出していた。
自宅へ向かう車の中。
フロントで廻るワイパーの音とエンジン音しか しない中、今あった許せ
ない会話を反芻していた。
父親は耳が遠く、年齢的にも気弱になっており、車内で話してもどうにも
ならない・・・・。
雨がそぼ降る暗い夜道が、ヘッドライトに浮かぶ。
「ああなったら、人間もおしまいだヨ・・・・。」
考えてみた。
コチラは個室だし、日中に接触した場面などない。
どうして?どうしてだ?
昼間の検査に行ったレントゲン室の技師だ。
向こうは、言ってみれば地元の者同士。
こちらの母親は、遠くから来た初顔の末期ガン患者・・・・。
時間が時間であったが、急遽、車をUターン!!
腹に溜まったものを噴出させるべく、病院へと向かった。
もう、自宅近くまで来ていたから、乗っていた父はびっくりしたろう。
今日から世話になろうというのに、オオゴトにはしたくなかった。
しかし、許せなかった・・・・・。
当直の看護士に会い、コチラが立ったままコトの顛末を話すと、 相
手も立ったまま話を聴き、「判ります・・・・・」と言った。
聴けば、やはり父親を数ヶ月前にガンで亡くしたと・・・・。
看護士は、涙をボロボロこぼしながら自分の家族の顛末を語り謝罪
した。
いまこう書いていて、クレームの処置の仕方として「泣き」があったと
は到底思えない。 本当のことだと思う。
初対面同士で、人の掃けた静かな病院の一室で、面と向かって涙を
ボロボロ流しながらの謝罪には「真実」があったと思う。
やがて、その世話になった病院の窓から、鯉のぼりが泳ぐのが見え
る頃に母は旅立った。
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(毎日新聞 2013年09月21日 東京朝刊)
今朝の新聞にあった投稿記事。
専門職による、重い「守秘義務違反」が明らさまにな った瞬間が、
書かれている。
漏らされた当事者の投稿者は、自分もそこに世話になっている
身もあり、また、年齢的にも抗議したりする気力の面で弱ってい
るのだろう。
唇を咬みながら、自戒の教訓に転化させてなんとか その悔しさ
に耐えている。
当方なども専門職として、新ためて心に刻んだ今日の投稿だった。
大分前に拙ブログでも書いたことがあったのだが、当方にも同じ
ような経験があり、この投稿者の気持ちが痛いほど分かる。
末期ガンの母親を、自宅近くの小さな病院へ転院させた時のこと
だ。
親の居住地の病院に入院していたのだが、いよいよ危なく なり、
毎日病院へ顔を出すのには、物理的にも不可能だったから、近
くの病院の先生のご好意もあり、転院させていただいた。
これにより、本人にもうれしいことに、4人部屋から個室に入れた。
100キロ近くの移動のうえ、検査も終えて夕食。
なんやかやベット周りをウロウロして、時計を見ると夜8時に近かっ
た。
母親本人は、違う病院へ移った緊張も解け、「ああ、良かった。」 と
口に出して言ったし、表情にもゆったりとした安堵感が表れていた。
帰る矢先、病室を出て待合室に行くと先客があり、老齢の旦那さん
とその家族と思われる人が数人でくつろいでいた。
やはりバタバタとした一日が終わり、一段落した様子。
やがて聴くともなく聴くと、 「今日入って来たおばあさん・・・・、もうダ
メみたいだな・・・・。」
「目も、白目が黄色くて黄疸が出てるって・・・。末期ガンらしい!?」
ホンのすぐ脇での話しだし、しかも夜間に入り病院内は閑散としてい
る時間。
ヒソヒソ話だったと思うが、実はシッカリ聴こえた。
聴いたわけではなくて、聴こえてきたのだが、あれれ、聴こえていた
のを、焦点を絞って「聴いてみると!」、今日入院したおばあさんなど
何人もはいないし、ハナシは、ウチの母親のことを言っていたのが判
った・・・・・・。
「ああなったら、人間もおしまいだヨ・・・・。」
やっとのことで転院を完了させたその日が終わろうとするその時、な
んということだ!?
「ああなったら、人間もおしまいだヨ・・・・。」
黙ってその場を立ち去り、病室にいた父親を促し、母親には明日また
来ると告げて病院を後にした。
3月の半ばの頃だったか、外は真っ暗で、しかも雨が降り出していた。
自宅へ向かう車の中。
フロントで廻るワイパーの音とエンジン音しか しない中、今あった許せ
ない会話を反芻していた。
父親は耳が遠く、年齢的にも気弱になっており、車内で話してもどうにも
ならない・・・・。
雨がそぼ降る暗い夜道が、ヘッドライトに浮かぶ。
「ああなったら、人間もおしまいだヨ・・・・。」
考えてみた。
コチラは個室だし、日中に接触した場面などない。
どうして?どうしてだ?
昼間の検査に行ったレントゲン室の技師だ。
向こうは、言ってみれば地元の者同士。
こちらの母親は、遠くから来た初顔の末期ガン患者・・・・。
時間が時間であったが、急遽、車をUターン!!
腹に溜まったものを噴出させるべく、病院へと向かった。
もう、自宅近くまで来ていたから、乗っていた父はびっくりしたろう。
今日から世話になろうというのに、オオゴトにはしたくなかった。
しかし、許せなかった・・・・・。
当直の看護士に会い、コチラが立ったままコトの顛末を話すと、 相
手も立ったまま話を聴き、「判ります・・・・・」と言った。
聴けば、やはり父親を数ヶ月前にガンで亡くしたと・・・・。
看護士は、涙をボロボロこぼしながら自分の家族の顛末を語り謝罪
した。
いまこう書いていて、クレームの処置の仕方として「泣き」があったと
は到底思えない。 本当のことだと思う。
初対面同士で、人の掃けた静かな病院の一室で、面と向かって涙を
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HN:
5596DA(ゴーゴークロダの意)
性別:
男性
職業:
行政書士
趣味:
山歩き、自然散策、ドライブ
自己紹介:
ISO14001環境マネジメントシステム審査員補
日本自然保護協会・自然観察指導員
浄化槽管理士
日本森林学会会員
福祉住環境コーディネーター
茨城県介護サービス情報公表制度・調査員
茨城県動物愛護推進員
上記もろもろ、兼 おっさん。
日本自然保護協会・自然観察指導員
浄化槽管理士
日本森林学会会員
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茨城県介護サービス情報公表制度・調査員
茨城県動物愛護推進員
上記もろもろ、兼 おっさん。
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