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 この仕事に人生を賭けてます! 伊能忠敬の「人生二山」が好きな言葉。 実り豊かな第二幕目の人生の歩みing型。 黒田真一が人生の旅人として日々の雑感を綴ります。
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今朝は4時半に寝て、なんとか7時半には起き出して高速飛ばし
9時半約束の某市の市庁舎へ。間に合ったァーーーー。

そこの市長さんと懇談して、まずは午前中のスケジュール完了。


帰りに寄った書店で、8月の頃頼んで置いた本を受領。
なんせ、先日寄った折にレジカウンターで聞いたら「まだ着ていない」
というので、その他の本だけ買って帰ったら、追いかけるように
男の店員から電話。「本が届いている」って・・・・。

まったく・・・・・。

今寄って来た本屋から、家に着いてスグの電話だもの、アッタマに
来るったらない!?

そんなで放っておいた本、だった。


■山本作兵衛『画文集 炭鉱(ヤマ)に生きる 地の底の人生記録』
           講談社  2011年7月28日新装版第1刷



「アンネの日記」「ベートーヴェンの第九草稿」「フランス人権宣言」
「マグナ・カルタ」などの世界的な歴史資料が登録されている、ユネス
コの「世界記憶遺産」に日本で始めて登録された、コレクティブ・メモ
リーという。
炭坑夫として50年も生き抜いて来たヤマの男が、その暮らしと生業
の記憶を頼りに、稚拙だが魂の記憶として描いた2000枚にも及ぶ
画と画に添えるように書いた記録の数々。


7月28日(木)放送のNHK『クローズアップ現代』でも<炭坑
の記録画が”記憶遺産”に>として放送されて知り、早速注文して
いた本であった。


当方は、茨城県日立市に生まれ鉱山精練労働者の子として育った。

炭鉱とは異なるのだが、どちらも産業区分としては第2次産業に属し
明治・大正・昭和と日本が近代化の道を歩む上では、基幹産業を担った
のであった。日立鉱山も本山という地区で、炭鉱同様に地底深くから
鉱石を掘り出す部署もあった。

街の成り立ちから、暮らす人々の暮らし振りにまで、多分に共通の
気質があったのではなかろうか。

炭鉱を振り返る時、<悲惨極まりない場所だった>という声の反面、
<貧しい人々が寄添いながら生きていたイイ場所だった>という
両面の声があることを、上記番組ゲスト・筑豊を描いた代表作『青春
の門』の作家五木寛之氏が指摘していた。


当方など子供であったから、職場のことは知らないが、地域コミュニテ
ィとしては<イイ場所>の記憶が強い。

かつて、日本社会党社会主義協会派の主柱・マルクス主義学者故向坂逸
郎氏の自叙伝で、筑豊地方の炭鉱街の点描を読んだ時、なぜかしら不思
議な懐かしさに浸ったことがあったが、彼はその場所ではエリート。

この本の山本作兵衛は、真逆の、地を這うように生き抜いた炭鉱労働者
であり、これはその視点から描いた「炭鉱の実相」であった。



目覚ましい速さで西欧列強の後を追い、そして近代化を成し遂げた日本。
その近代化のエネルギーの石炭を産出し、紡績業の機械化、鉄道網の
発展、八幡製鉄所を中心とする日本の重工業化を支えた炭鉱地帯。

名もなく、貧しく、残すものとて何一つなく消え去っていった無数の
炭鉱夫たち・・・・。

『「チキショウ!このおれに字さえ書けたらのう・・・」と、ある老婆
がじだんだふむようにくらしがって吐きだしたことばが、なまなましく
私の心によみがえってくる。』(同書 序にかえてーーー山本作兵衛さ
んの仕事の意味ーーー上野 英信より)そういう無数の文盲の老坑夫た
ちの<書き残さずには死んでも死にきれない怨念>の憑依者が山本だっ
たのだろう。



今春、湯布院から北九州方面への旅に行って来たと、カラシレンコンを
携えて息子がひょっこり帰省したことがあった。

その時はそれだけであったが、印象に残ったのは軍艦島、あれは良かっ
た・・・とだいぶ力こぶを入れた物言いで記憶に残った。

軍艦島もかつては、炭住街の島で学校から医療機関、小売店やら理髪店
までが備わった、自治集落の様相を帯びた孤島であった。

今やまったくの廃墟であるが、これまた<歴史遺産>として残そうと
いう動きもある島。こんな変哲もない場所にヤケに力を入れた息子に
何とも我が血族のDNAを見た思いがあったのだ。


さて、ご興味の向きには今日の本をお奨めしたい。

日本政府はこの世界記憶遺産に、「源氏物語絵巻」「鳥獣戯画」を
推したらしいが、世界の良識の目は、さすがに鋭い。

<人類の産業革命による発展の過程>を記録しており、世界共通の記憶
の価値を見出したのだという。


映画『わが谷は緑なりき』も産業革命期の炭鉱の暮らしを扱い印象深い
が、やはり、事実の記録の証言はたましいを揺さぶるものがある。




●世界記憶遺産  (ウィキペディアより)

●筑豊の炭鉱画、国内初「記憶遺産」に 山本作兵衛 作
   (朝日新聞   2011年5月25日) 





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日本自然保護協会・自然観察指導員
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日本森林学会会員
福祉住環境コーディネーター
茨城県介護サービス情報公表制度・調査員
茨城県動物愛護推進員
上記もろもろ、兼 おっさん。
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