こちらのご主人ですか?の問いに、咄嗟に「違います!」と言った今日のこと。

予報では、今日も雨のあるパッとしない天気のはずが、
午後からはみるみる回復し、過ごし易い陽気となった。


で、先日剪定した庭の生垣も、いつのまにか刈り取っ
た天頂部が、不連続に新芽が伸びてきたもので、剪定
バサミを持ち出して、軽く刈り込みを入れていた。

そんな矢先に、ある宗教団体の勧誘活動の二人連れが
近づいて来た。
「こちらのご主人ですか?」

(ああ、やだやだ・・・・。）


先日の剪定の折には、住宅改修の飛び込み営業さんに
ひっ捕まり、とんだ時間ロスをしていたから、今日も
その二の舞になるのか?

そんなヤな予感に襲われて、咄嗟に口を憑いたのは向
こうの声掛けへの否定の言葉。
「こちらのご主人ですか?」の問いに、 ちょうどアゴ
ヒゲも生えてきていたから「いや、越後のチリメン問
屋なのじゃが・・・」とまでは言わなかったが、語気
を強めて「イヤ、違いますヨ!!」


あれこれ、２コト、３コト言葉を交わしたら、お隣に
寄ってから「また、帰りに寄ります・・・」とのこと
だったが、こちら庭男か下男を装った手前、戻って来
たら家の中に向かって「旦那さま～ァ!？」と呼ぼうか、
いや 「アニキーーーーーッ」と呼ぼうか、剪定バサミ
を使いながら考えていたのだが、結局、帰りには寄ら
なかったようだ。

ヨカッターと思ったのだが、ま、猫の額ほどの小っち
ゃな家廻りだし、「ここの住人!」がバレバレだったん
だろうね。



だいぶ前に、昨年暮れの衆院選で最後の最後に滑り込み
当選を果たしたブラック企業の会長さんの著書を読んだ
ことがあり、彼も清純な青年の頃に、こういう団体に
入信していて熱心な布教活動をしていたことを知った。

彼のエピソード話で、訪問先の布教活動に興味を示さな
い人には、こういう熱心な信者でも『地獄に堕ちろ!!』と
コワイ呟きをするみたいなのも知ったのね。

「異教徒は相容れない」ということなのだろうが、仏教
などと違い、厳しい峻別の鋭利さを秘めていることを、こ
の本のエピソードで知ったのだ。


今日の柔和な笑顔の裏に隠れた、峻厳な掟を知った上で、
梅雨の晴れ間の剪定作業を優先させて貰ったのだった。



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