ある地元紙の倒産に思う・・・・

８月３０日、県内の小さな新聞社が倒産した。
非常に残念なニュースだった。

●㈱常陽新聞新社　倒産
（２０１３年０９月０２日公開　東京商工リサーチ）


顔見知りの記者と、当方の所属団体の行事などでよく顔を合わせた。
口数の多くはない人だったが、非常に誠実な印象を持っていた。

思えば今年５月末の総会には顔を出さず、おやっと思った記憶がある。

常陽新聞新社破産申請の理由に、輪転機などのリース料と合わせ、
未払給与の問題もあったようだから、今年の５月にはもう退職していた
のかも知れない。

茨城県南部地区にシェアがあった新聞であったが、今回の報道で知
ったのは、公称８万２０００部の発行部数が、実数では５０００部以下だ
ったという。それでは無理もない・・・・。

所属団体の広報にあたって、この社で出す「常陽ウィークリー」の存在が
県南地区では無視出来ないシェアがあって、利用が検討されたこともあっ
たのだが・・・。

既知の記者の面影とともに、何か心の中が波立つ寂しいニュースであった。



当方は、地元と伴に歩む郷土紙に触れるのが好きだ。
旅行に行った折りにも、なるべく駅の売店などで地元紙を手に入れ目を
通すことが楽しみだ。

北海道新聞、秋田魁新報、河北新報、福島民報、下野新聞、信濃毎日、
岐阜新聞 中国新聞などなど・・・・。

また、単身赴任でその地元に住んだ時には、中日新聞、新潟日報などを
購読 して来た。
そのふるさとに生まれ、ふるさとと伴に生きる地元紙。

地元住民の目や耳となり、足元を見つめながらも、真実を見詰める眼差し
は世界を射る矜持も忘れない。
広島に原爆が投下された折には、全国紙を含め当時の新聞の大概が
『新型爆弾』 という見出しで終始した８月７日の新聞紙面。

その時、日本で初めて＜原子爆弾＞という活字で報じたのは、新潟日報
一社だったというのだ。


そういう地元紙だから、地元の購読シェアは格段に高いところが多い。

信濃毎日などは、地元での信頼度をもとにその発言力も強く、本社ビルの
大きいことにビックリ。北海道新聞や河北日報などもそうだろうが、あるテレ
ビの女優・市原悦子さんの朗読会の風景で、金沢の北國新聞社のホール
が映ったがその大きいこと大きいこと。
我が県域紙は茨城新聞だが、首都圏だからだかどうか？どうにも地元マス
コミが大きく成れないのは悲しくなってしまう。（茨城は地元テレビ局がない
唯一の県でもある。）



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アメリカでは大新聞社が身売りされ、紙・活字媒体の危機が現実のものに。
アメリカであったことは、早晩日本でも再現されることになるのかどうか？

日本でも長らく紙媒体大新聞社がマスコミを支配してきたが、若者の活字
離れ、日本社会の少子高齢化の進行も相まって、いよいよマスコミ離れ、
インターネット社会の一層の深耕が言われてきている。

はたして、これから行き着く未来はどうなるのか？

テレビを一瞥すると、時たま、ネットで見たニュースが「さも今解かったような
扱い」で大げさに取り上げられるていることに出くわす。

あれはどうなんだろ？テレビの省取材、サボタージュ以外の何者でもない。
自殺行為としか思えないのだが・・・・。