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 この仕事に人生を賭けてます! 伊能忠敬の「人生二山」が好きな言葉。 実り豊かな第二幕目の人生の歩みing型。 黒田真一が人生の旅人として日々の雑感を綴ります。
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今朝は3時まで、ある業務の追い込み。
お蔭でボコボコです。

まだ続きが残っているもので、ブログ更新を早めにしときます。



今週末が終戦記念日か。麻生総理は靖国参拝を見送ったそうですね。
周辺諸国との無用な摩擦を避けたい・・・・として。

靖国で静かに眠る英霊たちを、喧しい騒音の坩堝に巻き込ませたく
ない。とか何とか、ものは言いよう。



「アンタは何派?」的な、小難しいコトは置くとして、国家の為に
命を捧げた人々を素朴に敬うという根本の部分のこころは、誰しも
失ってはならない、と思うのですね。


昨夜のNHKスペシャル『海軍400時間の証言 東京裁判での
極秘工作・上層部を戦犯にするな』には、反吐が出ますね。

陸軍出身の東条首相が、極東軍事裁判で死刑になりましたが、終戦時
の海軍大臣は、組織を上げての工作活動により、死刑を回避出来た
というのが、昨日の内容。

けっ、そんな体質が連綿と続く日本の官の状況。



一方、10日夜のTBS<シリーズ・激動の昭和>「最後の赤紙配達
人」は、ドラマとドキュメント映像を織り混ぜた構成で、今も
104歳とご健在な、滋賀県の西邑仁平さんをモデルにした番組でした。

残念ながら、終盤部分しか見られませんでしたが、西邑さんは住民の
身上調査やら、召集令状、戦死公報を配達し歩いていた「兵事係」で、
当時は、周りから忌み嫌われていた存在であったという。


終戦時には、上からの命により記録・書類類の処分を命じられていた
とのことですが、彼は当時の帳簿類を、自宅に保管していたという。

そして、その存在を初めて明らかにしたのが3年前。


終戦当時、敗戦国として社会各階層で戦争遂行の証拠隠滅が組織的、
個人的に徹底的に為された中で、今となっては、当時の生きた貴重な
歴史資料の重要な意味を帯びています。

西邑さんは、当時、何となくでなく、「残さなければならない!」と
強く肝に銘じて、そうして来たのだといいます。



突然ですが、以下、万葉集の防人の歌を一首引いてみましょう。

韓衣 すそに取り付き 泣く子らを 置きてぞ来のや 母なしにして

         (他田舎人大島  巻二〇・四四〇一)

■坂本勝監修『図説万葉集』(青春新書)の解釈を写してみますと、
「衣の裾にすがって泣き叫ぶ子供たちを置き去りにしてきてしまった、
母親もいないままで」。


東国の男子(21歳~60歳)に、外敵の来襲防衛のため、遠く
九州沿岸まで徴用し、3年間の軍役に就かせたのが防人。
九州まで徒歩での往復、それから3年間の軍役。無事に故郷に
戻れなかった者も多かったと上記の本にあります。



また、先日読んだ■吉野せい『洟をたらした神』(文春文庫)に所収の
「鉛の旅」に、先の大戦での同じような風景が吉野の冷徹な筆で再現
されていて、身につまされます。

阿武隈山麓の小作農の妻として生きた吉野せいが、会津若松の連隊に
入営した息子を、慣れない磐越東線、磐越西線を乗り継いで訪ねる
その車中で、出征兵士の一人と偶然向かい合わせに座ります。


二度目の召集という中年の兵士に、外交的でもない吉野せいが、
話しかけます。

「あの、若松にいらっしゃるんですか?」
「そうです」
「私も、むすこが先月入営したもんですから」

 ・・・・・・・(中略)・・・・・・・・・・・・・・・・

兵士の顔はまた少しずつ鉛の面に変りつつある。
「御家族は!」
「子供が三人あります。大きいのが十二で、下が七つと三つです」
「奥さんもずいぶん辛いでしょうね」
鉛の面はすっぽりと、その三角形の口から笹笛に似た細い響きが
ぬけて来た。
「家内は昨年死にましたからーーーーー」
えぐられた眼の奥がきらきらした。
「ではお子さんは?」
「六十三の母親がみてくれています。あと十年母が丈夫でいてくれ
たらとそれだけ願っています。長男の私がいなくなっても、子供た
ちが、何とか育って、ばあちゃんを大切に世話するのだぞとよくよく
いいきかせて来ました」
淡雪のような微笑に、私はうつむいてしまった。あのぶち破って
来ますと叫んだ破れ声は、この男のからだ中にうずまくやり切れぬ
絶望の火の爆発に外ならなかった。

 ・・・・・・・(略)・・・・・・・・・・・・・・
 
  (吉野せい『洟をたらした神』所収「鉛の旅」より)



終戦記念日は、今週の土曜日。
やっと、今日は真夏の暑さを体感しています。




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 7月30日の読売新聞「編集手帳」欄で、吉野せいを思い出しました。
 で、アマゾンで取寄せ読んでみましたら、なかなか。
 今はなき扇屋正造氏の、文庫解説もイイ。
 おすすめですが、絶版のようですから古本をお探しください。
 黄色く焼けた本で読むと、実感が深まるような・・・・・。

●読売新聞 編集手帳 (2009年7月30日付)
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性別:
男性
職業:
行政書士
趣味:
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自己紹介:
ISO14001環境マネジメントシステム審査員補
日本自然保護協会・自然観察指導員
浄化槽管理士
日本森林学会会員
福祉住環境コーディネーター
茨城県介護サービス情報公表制度・調査員
茨城県動物愛護推進員
上記もろもろ、兼 おっさん。
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