福島 ふくしま

いつもなら出勤しているはずのＹ君が、昨夜はいませんでした。
計画表をみれば、お盆期間中５日ほども連休が入れてあります。

そうか、福島の実家に帰ったんだな。


先の大震災で、実家もまた損壊は免れたものの、傾いてしまった
話を聞いていましたから、さぞや心配だったでしょう。今頃は
福島の実家でどんな現実を過ごしているのか？



もう一人のオジさんにも、会ったら開口一番に礼を言われました。

思い返せば、先週福島の実家に帰るという話が出た時、道路の混雑や
ら天気の高温予報が出ていることで、盆明けぐらいにズラしたらと
話したことを思い出しました。

挙句に、例の福島豪雨もあったのですから、結果的には行かなくて
大正解だったと話してくれました。




　　　　　　　　　　　果肉の奥の桃に


　　　　　果実を、溜まっている、溜まっているもの
　　　　　を、故郷への想いを、母への真心を、子ど
　　　　　もたちへの愛を、川、街、空、雲、海、日
　　　　　本語、家、スプーン、ファミリーアルバム
　　　　　を、津波、原子力発電所爆発、２０ｷﾛ圏内
　　　　　立ち入り禁止、全村非難、風評被害を、初
　　　　　夏を、溜まっていく、溜まっていくものを、
　　　　　みずみずしさ、愛らしさ、甘味、優しさ、
　　　　　風と土の匂い、福島の歴史を、あふれてい
　　　　　る、あふれていくものを、果実を、怒りを、
　　　　　スズメバチに刺されないように剥く、悲し
　　　　　みながら剥く、味わいながら剥く、祈りな
　　　　　がら剥くのだ、桃を、何を。

　　　　
　　（和合亮一『詩の邂逅』朝日新聞出版　２０１１年６月より）　



昨夜フジテレビで放送された、『金曜プレステージ「わ・す・れ・
な・い東日本大震災１５５日の記録』を録画で、今朝方６時過ぎ
まで観ました。

あの大混乱の中の記録を、時系列的に整除された形で検証してみ
ると、見えなかった全体像が見えて来る優れたドキュメントとな
っていました。


３月１１日１６：５４　菅首相の記者会見でのコメント「東電
第一原子力発電所が地震による電源喪失をしたが、原子炉は安
全に自動停止し、放射能漏れなど外部への影響は確認されてい
ない・・・・」同じ頃の枝野官房長官のコメントでも「３キロ
圏内の住民に避難指示を出しているが、放射能は炉外に漏れて
いない。」

３月１２日午前５：４４「・・・・、ベントを実施したが、
放射能漏れなどの問題は生じていない。」


３月１２日午前６：００　福島県大熊町は大型バスによる住民
避難を開始。バスは、もう午前３時台に、はるか１４０キロも
離れた茨城県水戸市から到着していたといいます。

福島県大熊町の住民は、＜茨城交通＞の文字が書かれた４９台
のバスに驚嘆したと証言。


政府の「安全だ・・・。」という公式見解の一方、すでに、
地震当日の１１日午後７時には、茨城交通本社にバスの手配を
していた事実には恐怖感さえ感じさせます。


●フジテレビ『金曜プレステージ
「わ・す・れ・な・い東日本大震災１５５日の記録』
（２０１１年８月１２日（金）午後９時放送）　　　





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