金子哲雄さんの死

流通ジャーナリストの金子哲雄さんが亡くなった。

●金子哲雄さん急死!４１歳、肺に悪性腫瘍・・・闘病隠しテレビに
(デイリースポーツ　１０月３日(水) ６時５８分配信)


今日が金子さんの葬儀だったのだが、それを伝えるワイド
ショーにはつい涙を誘われてしまった。

１年ほど前に、発症率が１０万人に１人と言われる肺カルチ
ノイドに罹っていることが判り、それ以降は仕事を続けながら
闘病をして来たらしいが、その甲斐なく亡くなったそうだ。



しかし報道によれば、檄ヤセの原因を番組共演者にも伝える
ことなく、その健康痩身法!?を伝授していたらしい。

それより何より、今日の報道では、通夜・葬儀の場所、棺の形、
霊柩車の車種、葬儀用写真、お墓、戒名から寿司・オードブル
など仕出し料理の内容、はては、参列者への挨拶状に至るまで
全て自分で選び、自分で書き段取りしたというのだ・・・・・。


死を覚悟し、死の直前までテレビ局などの仕事先へ全国を飛び
回る合間に、この完璧で周到な段取りをこなしたというのだから
圧倒された。

以下の記事中に、金子さんの参列者への挨拶状の全文が伝え
られている。是非ご覧いただきたい。

●金子哲雄さん、通夜参列者に手紙
(日刊スポーツ　２０１２年１０月４日　２２時３０分)

死期に及んでのこのユーモア、覚悟するまでの葛藤など微塵も
感じさせない、突き抜けた楽天の匂いと潔さ。そして感謝の心根。

なかなかこうは行かない。


生前ご自分が好きだったという東京タワー。そこの足元の寺を
葬儀の場所として選び、死後もこのランドマークと結び付けて
忘れられたくない・・・という執念も伝わる。

凄い!!というほかない。


「どうせそんなに好かれていないから・・・・」と、最初は４０人くらい
の小規模な葬式を考えていたらしい。その後、所属事務所のスタッフ
らの必死の説得もあって、２００人～３００人の列席へと上方修正
しての準備だったとのことだが、通夜だけで８００人規模のもの
となったと。元気な頃のテレビ収録場面が式場に流れ、生前の
人柄もあって、時折笑いも起こったのだそうだ。

とにかく「明るい見送り」というので、奥様も笑顔で挨拶するなど
終始気丈に振舞っていたとは、昼のワイドショーのレポート。
(テレビ朝日 スクランブル ２０１２年１０月５日１２：００～)



●金子哲雄さん葬儀ひつぎにメロンパン
(日刊スポーツ　２０１２年１０月５日　１３時２５分)

大好きだった<セブンイレブン>のメロンパン・・・・というのも、
流通ジャーナリストの金子さんの葬儀らしいが、金子さん急死
でブログを書いているのは何故?　というのもこの辺で書いて
おこう。

実は彼は、大学卒業後、石油会社のジャパンエナジー(JOMO,
現ＪＸホールディングス）に就職している。
ジャパンエナジーは、その大元は日本鉱業という非鉄金属会社
が源流だ。何かの本で、金子さんが就職したのは日本鉱業とい
うのを見たことがあって、実は我が父親が勤めていたのがここ
で、縁遠からず・・・・・・と思ったの当初だ。

父親が勤務していたということは、その子供の当方は、日本鉱業
のカネで育てられた・・・・・ということ。
よって、世の中には会社は星の数ほどもあるのに、ここを選んだ
金子さんに、得も言われぬ親近感を持ったのですよ。


一方で、当方はある大手小売業に３０年弱も勤め、小売販売価格
の戦争の中で生きて来た。なのに、金子さんが一般小売業に勤めた
こともないのに、テレビでエラそうに＜安売り＞＜おトク感＞＜価格＞
をブッテいるのには、ムッとしたこともあった。
「石油会社の人間が何だ！？」・・・・・と。

しかし、１年しかサラリーマン経験はなかったというが、そこでは、
ガソリンスタンドの価格調査が主な仕事だったらしい。

ま、これで、少しは納得。



さてさて、今日になって、ネットで金子さんの関連情報をあたって
見ましたらね、いやはや、ビックリでありました！！

●『私の職務経歴書』第３回　金子哲雄の場合（宅ふぁいる便サイト）

中学時代から商売を始めていて、羽振りがよかったんだそうだ。
「このまま行くと抜け目ない商売人の顔つきになってしまう」と
いうので、大学は文学部を選んだんだそうだ。
サラリーマンを１年で辞めたのも深い読みと戦略があってこそ。

＜人生のピークを３０代後半に持って行きたかった・・・＞（金子
哲雄）んだそうで・・・・・・。

その自分の描いた戦略通りに彼は生きて来た。



今日の葬儀で父親の幸雄さんの言葉に「学生時代から２４時間で
は足りないような男でした。４１でしたが普通でしたら８０歳くらい分
の思い出を残していってくれました・・・・・」とあったそうだ。


生き急いだ感もあるが、思ったとおりに生き、死を覚悟してからは
手本のように完璧に『終活』もやり遂げ、自らがページを閉じた
人生は見事というほかない。



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ちょうど今頃の日が短くなる季節、勤務地店舗そばのマンション
からは、休みの日にも社名の赤いネオンサインが良く見えた。

それが、イヤで、イヤでね・・・・・。


金子さんは、住み慣れた自宅に帰っての最後の日々だったそう。

価格調査がスグ出来るショッピングモール近くだったのが
お気に入りだったそうだが、ここにも、ワタクシなどとは違い
プロ根性のものすごさがありますね。