この仕事に人生を賭けてます! 伊能忠敬の「人生二山」が好きな言葉。 実り豊かな第二幕目の人生の歩みing型。 黒田真一が人生の旅人として日々の雑感を綴ります。
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●岩波書店の「縁故採用」宣言 そんなに悪いことなのか
(J-CASTニュース 2012年2月3日 19:29)
ヤフーの意識調査(現時点で約2万5000票)では、この「応募
条件」に「問題がある」が43%、「問題ない」が52%という
結果だそうだ。
昨夜のニュース番組での弁護士のコメンテーターも、民主主義の
中での、私企業の採用条件に<さして、問題はないのではないか>
と話していたが。
しかし、年間自殺者数が3万人以上という連続記録を昨年末にも
更新したが、「社会の閉塞状況」が言われて久しい。
若者の就職難、非正規労働者の固定化など問題が山積している
現代日本である。
それでも、建前は自由競争社会であり、個人のヤル気と努力が
人生を切り拓くもの、という<暗黙知>は存在していた。
だが、この岩波書店の採用ページの縁故宣言は、こういった牧歌的
社会の<暗黙知>を、無残に打ち砕き、社会を一層不安に落とし要
れるものにならないか。
擬似自由競争の夢が、粉砕される嚆矢にまたなりそうな予感で
ある。
アメリカでは、早くも1920年代、30年代に社会の閉塞状況
が昂進していたという。
社会の階層はほぼ固定化され、名も無く、経済的不遇の中の庶民
が,浮き上がり、社会上方へ上昇して行ける可能性とは、芸能、
そしてスポーツ界が数えられるばかりだったという。
(ま、多少の例外は当然ある。)
あるアメリカの社会学者が、少年雑誌に登場する偉人の伝記に、
取り上げられる人物の変遷を考察する中から見出したという。
1920年代以前には、立身出世した政治家やら経済界の大物
が登場し、少年らの青雲の志の醸成に寄与したらしいが、その後
の社会の「風穴」は、芸能・スポーツの分野にしか空いていない
ように、伝記の主役は大きく変化したというのだ。
アメリカの後塵を拝して、アメリカで起こった事象が後から付いて
行く日本でも、同様の事象が繰り返されて来ていることは、今まで
を振り返ってみると合点が行く。
その閉塞性に抗って勝利を掴み取った稀有の成功者の足跡が、アメ
リカンドリームとして称賛され、人々の憧憬を誘ってきた。
アメリカ東部のハイソ社会は、見えていても<見えないもの>として
アメリカ国民は生きて来た。アメリカンドリームに深い憧憬を持ちな
がら。
一方、日本は高度経済成長の「祭り」の只中で、一億総中流と
いうマヤカシの言葉に踊らされ、大量消費社会を享受してきた
が、その間「階層」は世から胡散霧消し、いまや現代日本には
<かけがえのないオレ・アタシ>がいるだけ、そう妄想する存在
が若者を中心に多数派となっていたはずだ。
しかし、岩波書店のニュースはそういう妄想への鉄鎚でもある。
岩波が意識したかしないか定かではないが、今の日本人に「階層」
を思い知らせる社会の<始まり>を際だたせた出来事になるので
はないか、そう思わせるのである。
地方自治体の職員採用やら、民間企業ならもっと、いわゆる縁故
採用はあったと思う。しかし、それは「人知れず」「コソコソと」
「後ろめたさ」を伴って行われる社会悪であった。
あくまでも建前は、「公平」「平等」「自由競争」なのであり、世
の大多数はその「暗黙知」の中、社会は一見安寧に保たれていたわけだ。
しかし、個人ひとりではどうにもならない、家系やら出自を問われ
る社会がまた訪れようとしているのなら、これは日本の一層の沈滞
を招くのではないか?そう反射的に感じたこのニュースであった。
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出版社で従業員数約200人。採用人員は間違いなく5人以下。
そこに1000人からの応募があれば、採用までの作業も
ハンパじゃない。エントリーシートを書かせ、数度の面接。
附随してその都度、発信する数々の文書。手間と金、両面から
の負担は決して小さいものではないだろう。
でも日本の出版文化をリードする<日本の知性>とも言って
良い会社の社会的影響も小さくはないだろう。
『ネコの首に鈴』を付けた岩波に、追随する社会が怖い。
(J-CASTニュース 2012年2月3日 19:29)
ヤフーの意識調査(現時点で約2万5000票)では、この「応募
条件」に「問題がある」が43%、「問題ない」が52%という
結果だそうだ。
昨夜のニュース番組での弁護士のコメンテーターも、民主主義の
中での、私企業の採用条件に<さして、問題はないのではないか>
と話していたが。
しかし、年間自殺者数が3万人以上という連続記録を昨年末にも
更新したが、「社会の閉塞状況」が言われて久しい。
若者の就職難、非正規労働者の固定化など問題が山積している
現代日本である。
それでも、建前は自由競争社会であり、個人のヤル気と努力が
人生を切り拓くもの、という<暗黙知>は存在していた。
だが、この岩波書店の採用ページの縁故宣言は、こういった牧歌的
社会の<暗黙知>を、無残に打ち砕き、社会を一層不安に落とし要
れるものにならないか。
擬似自由競争の夢が、粉砕される嚆矢にまたなりそうな予感で
ある。
アメリカでは、早くも1920年代、30年代に社会の閉塞状況
が昂進していたという。
社会の階層はほぼ固定化され、名も無く、経済的不遇の中の庶民
が,浮き上がり、社会上方へ上昇して行ける可能性とは、芸能、
そしてスポーツ界が数えられるばかりだったという。
(ま、多少の例外は当然ある。)
あるアメリカの社会学者が、少年雑誌に登場する偉人の伝記に、
取り上げられる人物の変遷を考察する中から見出したという。
1920年代以前には、立身出世した政治家やら経済界の大物
が登場し、少年らの青雲の志の醸成に寄与したらしいが、その後
の社会の「風穴」は、芸能・スポーツの分野にしか空いていない
ように、伝記の主役は大きく変化したというのだ。
アメリカの後塵を拝して、アメリカで起こった事象が後から付いて
行く日本でも、同様の事象が繰り返されて来ていることは、今まで
を振り返ってみると合点が行く。
その閉塞性に抗って勝利を掴み取った稀有の成功者の足跡が、アメ
リカンドリームとして称賛され、人々の憧憬を誘ってきた。
アメリカ東部のハイソ社会は、見えていても<見えないもの>として
アメリカ国民は生きて来た。アメリカンドリームに深い憧憬を持ちな
がら。
一方、日本は高度経済成長の「祭り」の只中で、一億総中流と
いうマヤカシの言葉に踊らされ、大量消費社会を享受してきた
が、その間「階層」は世から胡散霧消し、いまや現代日本には
<かけがえのないオレ・アタシ>がいるだけ、そう妄想する存在
が若者を中心に多数派となっていたはずだ。
しかし、岩波書店のニュースはそういう妄想への鉄鎚でもある。
岩波が意識したかしないか定かではないが、今の日本人に「階層」
を思い知らせる社会の<始まり>を際だたせた出来事になるので
はないか、そう思わせるのである。
地方自治体の職員採用やら、民間企業ならもっと、いわゆる縁故
採用はあったと思う。しかし、それは「人知れず」「コソコソと」
「後ろめたさ」を伴って行われる社会悪であった。
あくまでも建前は、「公平」「平等」「自由競争」なのであり、世
の大多数はその「暗黙知」の中、社会は一見安寧に保たれていたわけだ。
しかし、個人ひとりではどうにもならない、家系やら出自を問われ
る社会がまた訪れようとしているのなら、これは日本の一層の沈滞
を招くのではないか?そう反射的に感じたこのニュースであった。
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そこに1000人からの応募があれば、採用までの作業も
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附随してその都度、発信する数々の文書。手間と金、両面から
の負担は決して小さいものではないだろう。
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プロフィール
HN:
5596DA(ゴーゴークロダの意)
性別:
男性
職業:
行政書士
趣味:
山歩き、自然散策、ドライブ
自己紹介:
ISO14001環境マネジメントシステム審査員補
日本自然保護協会・自然観察指導員
浄化槽管理士
日本森林学会会員
福祉住環境コーディネーター
茨城県介護サービス情報公表制度・調査員
茨城県動物愛護推進員
上記もろもろ、兼 おっさん。
日本自然保護協会・自然観察指導員
浄化槽管理士
日本森林学会会員
福祉住環境コーディネーター
茨城県介護サービス情報公表制度・調査員
茨城県動物愛護推進員
上記もろもろ、兼 おっさん。
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