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 この仕事に人生を賭けてます! 伊能忠敬の「人生二山」が好きな言葉。 実り豊かな第二幕目の人生の歩みing型。 黒田真一が人生の旅人として日々の雑感を綴ります。
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今日の『開運!なんでも鑑定団』(テレビ東京、10月14日分の
再放送)には、ビックリしました。


当方、日曜日の昼時は、他になにも見るものがないので、この再放送
を見ることにしているのですがね。よって、レギュラーの夜の放送時間
帯はワザと見ないようにして、日曜日の再放送を見ています。


さて、今日のビックリの訳は?

ま、見てしまった皆さんはパスして頂いて結構です。

今日の鑑定の品は、山梨県の高齢者の方(80歳)が持ち込んだ
この方の父親宛の、若き日の宮澤賢治からの書簡類73点でした。



凄いものでしたね・・・・。

手紙、ハガキ類しめて73点。

■『開運!なんでも鑑定団』公式ホームページ(10月14日放送分)

上記HPを見ていただけば判るのですが、な、なんと1億8千万円
でした。本人評価額は1億。「おくは、ニンベンでなく、月ヘンで
・・・」(臆病のオク)なんて言っていましたが、鑑定人の評価は
1億8千万円ーーーーーーーーーでした。


番組構成で入る解説によれば、この高齢者(職業:医者)の父親は、
宮澤賢治の盛岡高等農林学校(現岩手大学農学部)の寮で同室と
なった後輩だったそう。
わざわざ山梨から盛岡へ行ったこの学生は、年若くして農業に燃える
鋭意の青年で、賢治もほどなくこの学生と打解け緊密な関係となって
ゆく。

番組の解説は、3、4分でしょう?なかなか巧くてね、つい貰い泣き
してしまいました。


放送後、手元の宮澤賢治の本を開いてみましたら、やはりこの学生の
名前が出て来ましたね。保阪嘉内という。(今日の依頼者のおじいさ
んもお名前は当然ながら保阪さんとおっしゃった。)

【参考】■竹澤克夫著『宮澤賢治物語』彩流社 1992年

この本の「三、盛岡高等農林へ 」という項が、33頁から56頁に
記載されているのですが、この中に保阪さんの名前が何度も出て来ます。


四月に入ってから、新入生が五名同じ部屋に入ってきた。そのうちの
一人にトルストイの影響を受けて農業の大切さを知り入学してきたも
のがいた。
 賢治はその生徒に興味をいだいた。保阪嘉内という学生である。
・・・・・・・・・・(略)・・・・・・・・・・・・・・・・

 農業の重要性を本当に理解し、その学問を深めるためにわざわざ
甲州から岩手県の盛岡高等農林へやってきたのは、それだけの決意
があったからであろう。腹をわって話のできる友達がひとり出来た
のが賢治にはうれしかった。 

     (「宮澤賢治物語」竹澤克夫著 彩流社より)


学内の4人で作った同人誌「アザリア」にも2人が名を連ねているが、
やがて、保阪の書いた<社会と自分>という文が、学校当局により
重大問題として取り上げられ、保阪の退学処分として決定されるに
いたった。
今日のテレビの、宮澤の書簡の中に、春休みで山梨へ帰っていた
保阪へ、退学処分通知を学内で見たと心配する宮澤の手紙が含まれて
いて、当時の緊迫感、そして二人の友情が偲ばれる・・・。


文学史的にも第一級の資料的価値があるといいます。

ま、2ヶ月遅れの再放送でしたが、凄い瞬間に立ち合わせてもらった
感があります。



1933年(昭和8)9月21日、午後1時半宮澤賢治37歳で永眠。
今にこそ、その天才性が煌く巨星の感がありますが、存命中はなんら
名声に浴する機会もないまま、無名のうちに生涯を閉じました。

かたや、保阪嘉内もまた退学処分という不名誉の後、志願兵として
軍隊を経験したり、地元農業に尽くしたということですが、宮澤賢治
という名は学生時代の友を超えるものではなく、宮澤賢治からの書簡
類もなんら整理を施されることもなく、眠っていたのだそう。

来し方を立止って整理する暇もないまま、保阪もまた、40歳時に
ガンに斃れ生涯を閉じたとのことでした。
今日の依頼者が5歳の時だったといいます。



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 今日の番組は、「依頼品」が超弩級ということだったのでしょうが、
 それだけでなく、島田紳助さんはじめスタッフに負うところも
 大きいのでしょう。今回は特に、裏方のスタッフかな・・・・。

 わずか、3、4分の解説に歴史が凝縮していましたね。
 中島誠之助さんの本を読むと、パシリのような20、30代の若い
 スタッフの激務・奮闘が番組を作っていると、讃える箇所が出てき
 ますが、今捜したら、どの本か不明のため書名は保留しましょう。

 ■中島誠之助著『骨董掘り出し人生』朝日新書 2007年11月

 この本には、あのソフトタッチなお人柄とは正反対の
 凄絶な生い立ちがつぶさに吐露され、圧倒されます。お薦め。



 前に一度検索した時には無かった、「群像 日本の作家」シリーズ
 の<宮澤賢治>(小学館)を、先ほどアマゾンに発注。
 彼の作品は、ネットの青空文庫でいつでも読めますが、作家を
 俯瞰して理解するのにはイイ本です。

 
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男性
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ISO14001環境マネジメントシステム審査員補
日本自然保護協会・自然観察指導員
浄化槽管理士
日本森林学会会員
福祉住環境コーディネーター
茨城県介護サービス情報公表制度・調査員
茨城県動物愛護推進員
上記もろもろ、兼 おっさん。
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